旅行記

作者はあの人!『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読んでみた

普段あまり本を読まないという人でも絶対に知っている作家さんといえば?

いろんな作家さんが思い浮かびますが、おそらく間違いなく名前があがるのは村上春樹さんではないでしょうか。

多くの作品が翻訳されて世界各地で読まれ、ノーベル賞の有力候補に挙げられる。
世界中から評価される日本を代表する作家さんです。

今回は村上さんの『ラオスにいったい何があるというんですか?』の紹介と読書感想をお伝えします。

今回紹介する本はこちらです。

 

どんな本なの?

この本は村上さんがこれまでにいくつかの雑誌に掲載した原稿をまとめた紀行文集です。

タイトルからラオスの旅行記を想像しますが、この作品そのものがラオス旅行の話ではありませんのでご注意を。

“ナオ”
“ナオ”

よくレビューを見るとラオスの本だと思って買ったら違う内容だったという投稿を見かけます。

全部で11のショートエッセイが収録されており、ラオスの話はその中に1つです。
エッセイにはかつて著者が住んでいた土地の話や、仕事のついでの観光、趣味に浸る旅など、さまざまな旅の様子が描かれています。

行き先も違えば目的も異なる旅を描いたエッセイ集。
エッセイ集って、「どの話を読もうかな〜」なんて選り好みできるから楽しいですよね。
ぜひあなたの興味を引くエッセイから読み始めてみてください。

読んでみた感想

恥ずかしながらボクは村上春樹さんの本を読んだことがなかったので、この本が村上春樹デビュー作品でした。

ざっくりとした感想を伝えると、とにかく読みやすいです。

難しい表現とか世界観もなく、旅先で好奇心をくすぐられたもの、興味をひかれたことについてよく書かれています。

マラソン、ネコ、レストラン、お酒について書かれてることが多い印象でした。

“ナオ”
“ナオ”

旅先で乗るレンタカーなど、車についての描写が詳しいのは、村上さんが車好きだからなんですかね?

文章について個人的に好きなのが、カッコ書きで度々登場する例えのチョイス。

「小津安二郎の映画のワンシーンみたい」、「海の上のピアニストみたい」とか「クラプトンのバックコーラス」など、知ってると伝わる映画や音楽の例えは読んでいてフフっと笑っちゃいました。

“ナオ”
“ナオ”

ボクが映画とか音楽が好きってのもあるんですけど、知らない例えは調べてみようって気になるのでこーゆう例えは大好物です。

村上春樹作品を初めて読んだボクとしては、
旅先の情景はもちろんですけど、村上さんがどんな人なのか想像させられる内容でした。

共感する旅論

放浪とかバックパッカーみたいな強く旅を思わせる話はありませんが、時々でてくる旅論みたいなものがすごく共感できる良いことを言ってます。

例えば

不便さは旅行を面倒なものにするが、同時にまたそこにはある種の喜びも含まれている。

快適でスムーズな旅行よりも、やっかいだったり面倒なことを解決する旅のほうが楽しいんですよね。

宿探しに苦労してさまよったり、苦労して見つけた宿はお湯なしエアコンなしのないものだらけの宿だったなんて、そんなトラブルは振り返るといい思い出にもなりますしね。

“ナオ”
“ナオ”

この旅論を読んだら昔の旅(アジアをバックパッカー旅行してました。)を思い出して「あの時は楽しかったな」と懐かしい気持ちになりました。

 

他にも、少し長いですがこの部分が気に入っています。

僕がラオスから持ち帰ったものといえば、ささやかな土産物のほかには、いくつかの光景の記憶だけだ。でもその風景には匂いがあり、音があり、肌触りがある。そこには特別な光があり、特別な風が吹いている。何かを口にする誰かの声が耳に残っている。そのときの心の震えが思い出せる。それがただの写真とは違うところだ。それらの風景はそこにしかなかったものとして、僕の中に立体ときて今も残っているし、これから先もけっこう鮮やかに残り続けるだろう。

映像や写真では伝わらない、その人だけの特別な景色って絶対にあります。

レストランでテーブル越しに眺めた店先の通りの風景だったり、移動中のバスから見ていた流れる景色など
旅行中に見た有り触れた風景が突然頭の中に現れて、その光景がきっかけで旅行のことを思い出した経験ってありませんか?

他の人に言ってもイマイチ伝わらないけど、自分の頭には鮮明に出てくる旅の風景って、
旅の記憶を思い出させてくれる、自分だけのお土産みたいなものだと思ってます。

そんな旅の光景が自分の中に蓄えられてくると、「あの旅は楽しかったな〜。」「この旅も〜」みたいにいろんな旅の思い出に浸れますね。

引用の文章の最後では、それが人生だと書かれています。
自分だけの光景や経験を積み重ねていくことで自分という人間が築き上げられるんです。それが人生なんだってことです。(うまく伝えられてごめんなさい。)

 

村上さんの旅や異国の様子を伝えるショートエッセイは読めばもちろん旅したくなるんですけど、作中に登場する旅論を読むと更に旅熱が高まります。
旅の様子だけでなく、旅論だったり著者の考えまでじっくりと読んでみてください。

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございました。

ボクにとっての村上春樹デビュー本でしたが、読みやすく親しみの持てる文章と内容に加えて、ショートエッセイ集という作りも相まってバッチリ楽しめました。
村上春樹の旅行記もの、海外もの作品にデビューするならこの本をオススメします。

村上さんって、旅行記を何冊も書いているので他の作品を読んでみたくなりました。
近いうちにまた村上春樹さんの旅行記の記事を書きたいと思います。

あなたもノルウェイの森や1Q84とかじゃない、村上春樹さんの旅行記作品をぜひ読んでみてください。

今回紹介する本はこちらです。