旅行記

村上春樹の旅エッセイ集『辺境・近境』を読んでみた

前回の記事でお伝えした『ラオスにいったい何があるというのですか?』を楽しく読むことができたので、村上春樹さんの書く旅行記をもっと読んでみたいなと思いました。

さっそく近くのブックオフで買ったのが『辺境・近境』という本。(これしか旅モノがなかった。)

ということで、今回は村上春樹さんの旅行記『辺境・近境』の紹介と読書感想をお伝えします。

今回紹介する本はこちらです。

 

どんな本なの?

前回紹介した、『ラオスにいったい~』と同じでこの本もいろんな旅の話を集めたエッセイ集です。
辺境・近境というタイトルどおり、遠いところ(海外)と近いところ(国内)の旅を綴ったエッセイが収録されています。

国内旅のほうは、無人島生活にうどんの食レポ、地元散歩と、どれも「これって、、旅?」と思うようなちょっと変わったテーマばかり
旅行記って感じではなくて、無人島エッセイ、うどんエッセイって感じです。

“ナオ”
“ナオ”

でも、うどん旅は読んでると絶対うどん食べたくなってきますよ(笑)

海外旅のほうはしっかりとした内容の旅行記という印象
特にメキシコバックパック旅行とノモンハンを訪れた旅は大作。

旅について、旅先での出来事はもちろん、旅論や心情についても書かれていて、国内旅と比べると真面目な旅エッセイって感じです。

“ナオ”
“ナオ”

もちろん、終始くだけた表現や言い回しなので読みやすいですよ。

ちなみにボクは海外旅のほうが好きです。
著者の旅論が共感できるし、それを読むと旅をしたくなります。

ラフな感じで楽しく読める近境(国内旅)の話と、旅についてがしっかり描いている辺境(海外旅)の話。
好みは分かれると思いますが、どちらも面白さは間違いなしです。

心情の告白と旅論が作品が印象に残る本

村上春樹さんの旅エッセイって、ボクはまだ2冊しか読んだことがないんですけど、くだけた文章でラフな感じが特徴なのかと勝手に思ってます。そんなユルい感じが読みやすさを生んでいるなんて思ったり。

『辺境・近境』はユルさ一辺倒ではなくて、著者の心情の告白であったり、旅についての持論を語る場面が印象的な作品でした。

たとえば、ノモンハン旅行の話では、言いようのない恐怖に襲われた様子や大義もなく死んでいった兵士たちを思って暗澹たる気持ちになった様子が描かれています。

読んでいて、自分が兵士になって戦争に参加する様子を想像してすごく憂鬱な気持ちになりました。戦争なんてするもんじゃないですね。いろいろと考えさせられる話でした。

ノモンハンの話は読み終わった時の余韻がモヤモヤするというか、いろいろ考えさせられる感じの重めの話ですが、他のエッセイはそんなこともなく楽しく読めるので安心してください。

話かわって、著者が語る旅論についてです。いくつか気に入ってるものを紹介します。

理由のつけられない好奇心、現実的感触への欲求。それが旅行のいちばんまっとうな動機、存在理由。

「なんで旅なんてするの?」という質問に対する満点の答えだと思ってます。

なんで?って質問されると、旅するのに何か理由がいるの?と思っちゃうんですよね。

なんで?って言われても、面白そうだからとしか言えないんだよなってずっと思ってたんですけど、その答えを明確に言葉にしてくれてました。

行ったことないところへ行ってみたい。見たことない景色を自分の目で見てみたい。それ以外に答えなんてないですよね。

自分の旅する動機が肯定してもらえたようで読んでてちょっと嬉しくなりました。

年をとればとるほど(~省略~)僕らは僕らが抱え込む多くの疲弊に対して、比較的少量の幻想しか得られない

若いうちに旅したいと思わされる文章です。

旅で得られる幻想って、ボクは感動や体験、理想など旅に期待するさまざまなものだと思ってます。

いわゆる大人って人たちは、いつも感情抑えてたり、「これはきっと〇〇だ」とか理屈を考えたりしてませんか?
いろんなこと経験して分別つく大人になると、現実的になってきます。過度に期待もしないし、感動もしないみたいな。

感性って花みたいに萎れて枯れていくのかなと思います。
みずみずしい感性でたくさん旅の幻想を手に入れられるのは若い頃だけなのかと思うと年齢を重ねるのが怖くなります。(もちろん、大人なりの幻想もあると思いますけど。)

海外旅行したいって人には、若いうちにたくさん旅行したほうがいいよ!とすすめてあげたくなりました。

“ナオ”
“ナオ”

引用の文章だけ読んでも??って感じだと思います。ぜひ実際に本を読んでみてください。

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございました。

個人的にはメキシコ旅の話が好きなんですけど、ノモンハンの方が印象が強く残りました。

それにしても、村上春樹さんは好奇心旺盛で活発な方なんですね。
著名な作家になってからもリュックひとつで旅に出たり、うどんのためだけに旅に出たりとアクティブな感じがすごく好感が持てました。

まだまだ当分の間はボクの中で村上春樹の旅行記ブームが続きそうな予感です。
今度はエッセイ集じゃない旅行記を読んでみたいですね。

今回紹介した本はこちらです。